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2014年5月22日木曜日

【緊急声明】 医療事故調査に欠けている視点「フールプルーフ」

2014年5月22日

 フールプルーフ

 別にバカだけでなく、初めての人でもわかりやすく、使いやすくすることはいいことだと思う。



JMM(ジャパン・メール・メディア)より

http://ryumurakami.com/jmm/

 ■from MRIC

 □ 【緊急声明】 医療事故調査に欠けている視点「フールプルーフ」
   ~国立国際医療研究センター病院医療事故報道に関連して~


 ■ 一般社団法人全国医師連盟 執行部 代表理事 中島 恒夫


 平成26年4月18日付で、国立国際医療研究センター病院にて脊椎造影検査の際、不
適切な造影剤が使用され、患者さんが死亡したと報道されました。亡くなられた方の
ご冥福を深くお祈りいたします。

 今回の報道によると、「この医師は、医師になって5年目の(後期)研修医で、脊髄
の造影検査を1人で行うのは初めてだった。(中略)同病院では、脊髄の検査に別の
造影剤を使用しているが、医師は病院の調査に、「造影剤は、血管用も脊髄用も同じ
ものだと思っていた」と話したという。同病院は今後、造影検査を行う際は撮影する
技師も立ち合わせ、複数で造影剤を確認するなどして再発防止を図る。」とされてい
ます。

 このような事故を防止するためには、個人の注意を促すのみでは効果は少ないことが
知られています。事故を減少させるためには、(1)医師の基本的知識を充足するた
めの教育体制の問題、(2)複数職員での検査やダブルチェックを可能とするための
勤務体制の問題、(3)誤った医療行為を行おうとしてもそれが防止されるシステム
等を検討することが必要です。

 今回の事故のような業務に従事している者の知識不足や、単純な過失があっても、事
故が起こらないようにシステム設計するのが、「フールプルーフ」の考え方です。ま
た、過去の刑事裁判で同様の事故が裁かれていますが、これが今回の医療事故の防止
につながっていないことからも、個人の責任のみを追求する刑事罰(業務上過失致死
傷罪)は、医療事故再発防止に役立たないばかりか、システムエラーが放置される遠
因にもなりうることが示唆されます。


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フールプルーフ 【 fool proof 】

 工業製品や生産設備、ソフトウェアなどで、利用者が誤った操作をしても危険に晒されることがないよう、設計の段階で安全対策を施しておくこと。正しい向きにしか入らない電池ボックス、ドアを閉めなければ加熱できない電子レンジ、ギアがパーキングに入っていないとエンジンが始動しない自動車、などがフールプルーフな設計の例である。

 「fool proof」を直訳すれば「愚か者にも耐えられる」だが、その意味するところは「よくわかっていない人が扱っても安全」。その思想の根底には「人間はミスするもの」「人間の注意力はあてにならない」という前提がある。安全設計の基本として重要な概念である。


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