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2014年5月30日金曜日

お見逃しなく 「イメージの力―国立民族学博物館コレクションにさぐる」


 通常の学術的分類にとらわれず、

造形のイメージに類似点を見出し配列。

イメージを創造する力、イメージを享受する力に普遍性があるのか、

自分自身の目で見つめるチャンス。


 作品そのものだけでなく、

作品を生み出す力とそれを感じる力に注目。


イメージの力―国立民族学博物館コレクションにさぐる



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会期

2014年2月19日(水)~ 6月9日(月)

毎週火曜日休館 ただし、4月29日(火)および5月6日(火)は開館、5月7日(水)は休館
開館時間
10:00~18:00 金曜日は20:00まで

4月19日(土)は「六本木アートナイト2014」開催にともない22:00まで開館
入場は閉館の30分前まで。

会場

国立新美術館 

企画展示室2E

〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2


電車

  • 東京メトロ千代田線乃木坂駅 青山霊園方面改札6出口(美術館直結)
  • 都営大江戸線六本木駅 7出口から徒歩約4分
  • 東京メトロ日比谷線六本木駅 4a出口から徒歩約5分


主催
国立新美術館、国立民族学博物館

共催
日本文化人類学会

後援
NHKプロモーション

協力
国立情報学研究所、千里文化財団




 人類の歴史は、イメージの歴史でした。イメージは文字に先行し、さらには言葉の源になったと考えられます。世界の本質や構造にかたちや色を与えて視覚化することは、人間に与えられた根源的な資質のひとつなのです。


 イメージの創造とその享受のあり方に、人類共通の普遍性はあるのでしょうか。


この壮大な問いをテーマに掲げた本展覧会では、世界のさまざまな地域で生み出された造形物を紹介します。

展示されるのは、世界各地の資料を擁する国立民族学博物館の膨大なコレクションから選りすぐられた逸品です。

同博物館と国立新美術館との共同企画である本展覧会は、イメージを地域や時代ごとに分類するのではなく、共通した造形性や効果、機能に着目して提示します。

これは、造形物に対して私たちが持っている固定観念を問い直す試みでもあります。


 国立新美術館の広大な展示室には、博物館でお馴染みの仮面や神像から、今活躍中の美術家の作品までが、美術館と博物館の垣根を超えて一堂に会します。儀礼に供されてきたイメージの圧倒的な生命力、文化交流から生まれたハイブリッドな造形の奥深さ、グローバル化した現代社会とともにあるイメージの活力を体感することによって、人類の文化に普遍的な「イメージの力」をご堪能ください。

2014年5月26日月曜日

5/25 東池袋を散歩

2014年5月26日

東池袋を散歩


キリン堂薬局










第3キンズメンビル





サンシャイン・シティ

ヴィレッジ・ヴァンガード

「地球家族」


カレー



LUPICIA

世界の紅茶・緑茶専門店 ルピシア - LUPICIA Fresh Tea






ヴェローチェ 

ブレンドL 230円




マレーチャン dua 東池袋 食べログ




東池袋駅



人と文化が集う場所「あうるすぽっと」  サイト


豊島区立中央図書館


平日 午前10時~午後10時
土・日曜・祝日 午前10時~午後6時

【休館日】
第2月曜
第4金曜(祝日の場合は第3金曜)
年末年始(12月29日~1月4日)
特別整理期間(6月16日~6月23日)
図書館カレンダー






自転車置き場



バトラー カフェ&ダイニング





日出町公園  サイト



大勝軒  食べログ

エーラージ A RA  食べログ 



ステーキカフェ ケネディー  食べログ





キッチン南海 東池袋  食べログ








豊島区立中央図書館












2014年5月22日木曜日

ナイジェリア少女誘拐の裏事情 内政干渉の口実か

2014年5月22日

 外資が思い通りにいかないので、業を煮やして、ナイジェリアの改造に踏み出した。

内政干渉の口実として、少女誘拐事件が起きた可能性がある。




ナイジェリア:石油盗難、先進国の投資が撤退

サイト

ナイジェリアの石油産業に変化が訪れている。劣悪な事業環境ゆえ、外資系企業は撤退し、ナイジェリア国内の企業にチャンスがまわってきたのだ。

 外資系企業にとって、最も大きな懸案事項は窃盗である。

今夏、パイプラインから盗難された石油量は1日あたり190万バレルであった。同国における石油産出量は、4年連続で低下した。外資系企業は、もはやナイジェリアでリスクを取りたがらない。

 国際エネルギー機関(IEA)が発表した最新の石油市場報告書(Oil Market Report)によると、ナイジェリアにおける石油窃盗被害総額は年間70億米ドルである。イタリアの半国有石油・ガス会社であるエニ社(Eni SpA)は、1日あたり3万バレルの被害があるという。原因は、盗難、洪水、ストであり、5億5,000万米ドル以上に費用が発生した。

 オランダに拠点を置く世界第2位の石油エネルギー企業であるロイヤル・ダッチ・シェル(Royal Dutch Shell)は、ナイジェリアの「運用上の課題」の影響で、第2四半期に2億5,000米ドルの損失があったことを明らかにした。「運用上の課題」とは、石油泥棒や当局による天然ガス輸出封鎖の影響である。

 ナイジェリア政府による石油関連産業への増税ムードの影響もある。現在提案されている法案によると、炭化水素処理のうち73%の利益が政府の権利となる。例えば、エクソンモービル社(Exxon Mobil Corp.)では、10年間で1億8,500万米ドル相当の投資損失となるであろう。

 エクソン社のナイジェリア事業担当者であるマーク・ウォード(Mark Ward)氏は、ブルームバーグ(Bloomberg)に「ロイヤリティ割合の増加、増税、規制、すべてが同時に来た状態です。法律は、世界随一の残酷な財政制度となるでしょう」と述べた。

 世界の主要石油会社が、過去数年間、ナイジェリアで90%の石油を生産してきた。しかし、事業環境の変化に伴い、事業縮小の方向にある。状況は悲惨以外の何ものでもないが、すべて悪いニュースというわけでもない。最近、外資系企業から土地を譲り受け、国内企業が石油産業に参入しているのだ。

 もっとも、国内企業は、無数の問題に直面することになる。例えば、環境被害は大きな問題である。ナイジェリアの炭化水素処理産業のメッカである南部のデルタ地域では、数万の家畜に被害が出ている。2008年~2009年の石油流出事件における話し合いは継続中で、被害総額は2億米ドルになるという。

 精製所の問題もある。ナイジェリアは現在、燃料の4分の3を輸入している。原油を精製する石油精製施設がないためだ。そのために、政府は燃料補助金プログラムを実施せざるを得ず、年間80億米ドルの出費となっている。



さらには、補助金制度には汚職の問題もある。

2012年に実施されたある調査によると、過去2年間にわたって60億米ドルの横領があったという。トランスペアレンシー・インターナショナル(Transparency International)の最新の統計によると、ナイジェリアは、汚職が多い国のランキングにおいて、176位から139位へと順位を上げた。


 ナイジェリアには、370億バレルの石油埋蔵量があると言われている。アフリカで最も多い埋蔵量である。ナイジェリアは大きく石油産業に依存し、ナイジェリアの輸出収入の95%を占め、一人当たりGDPを1,555米ドルにしている。しかし同国では、そのGDPが1億7,000万人の人口に還元されておらず、半数以上が貧困状態にある。


このような問題は、外資系企業が撤退したところで、なくならない。とはいえ、外国勢力は、ナイジェリア国民に対して道徳的な責任が皆無である。そのような勢力が減少することはポジティブな傾向かもしれない。

 *この記事は、米国版 International Business Times の記事を日本向けに抄訳したものです。

【緊急声明】 医療事故調査に欠けている視点「フールプルーフ」

2014年5月22日

 フールプルーフ

 別にバカだけでなく、初めての人でもわかりやすく、使いやすくすることはいいことだと思う。



JMM(ジャパン・メール・メディア)より

http://ryumurakami.com/jmm/

 ■from MRIC

 □ 【緊急声明】 医療事故調査に欠けている視点「フールプルーフ」
   ~国立国際医療研究センター病院医療事故報道に関連して~


 ■ 一般社団法人全国医師連盟 執行部 代表理事 中島 恒夫


 平成26年4月18日付で、国立国際医療研究センター病院にて脊椎造影検査の際、不
適切な造影剤が使用され、患者さんが死亡したと報道されました。亡くなられた方の
ご冥福を深くお祈りいたします。

 今回の報道によると、「この医師は、医師になって5年目の(後期)研修医で、脊髄
の造影検査を1人で行うのは初めてだった。(中略)同病院では、脊髄の検査に別の
造影剤を使用しているが、医師は病院の調査に、「造影剤は、血管用も脊髄用も同じ
ものだと思っていた」と話したという。同病院は今後、造影検査を行う際は撮影する
技師も立ち合わせ、複数で造影剤を確認するなどして再発防止を図る。」とされてい
ます。

 このような事故を防止するためには、個人の注意を促すのみでは効果は少ないことが
知られています。事故を減少させるためには、(1)医師の基本的知識を充足するた
めの教育体制の問題、(2)複数職員での検査やダブルチェックを可能とするための
勤務体制の問題、(3)誤った医療行為を行おうとしてもそれが防止されるシステム
等を検討することが必要です。

 今回の事故のような業務に従事している者の知識不足や、単純な過失があっても、事
故が起こらないようにシステム設計するのが、「フールプルーフ」の考え方です。ま
た、過去の刑事裁判で同様の事故が裁かれていますが、これが今回の医療事故の防止
につながっていないことからも、個人の責任のみを追求する刑事罰(業務上過失致死
傷罪)は、医療事故再発防止に役立たないばかりか、システムエラーが放置される遠
因にもなりうることが示唆されます。


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フールプルーフ 【 fool proof 】

 工業製品や生産設備、ソフトウェアなどで、利用者が誤った操作をしても危険に晒されることがないよう、設計の段階で安全対策を施しておくこと。正しい向きにしか入らない電池ボックス、ドアを閉めなければ加熱できない電子レンジ、ギアがパーキングに入っていないとエンジンが始動しない自動車、などがフールプルーフな設計の例である。

 「fool proof」を直訳すれば「愚か者にも耐えられる」だが、その意味するところは「よくわかっていない人が扱っても安全」。その思想の根底には「人間はミスするもの」「人間の注意力はあてにならない」という前提がある。安全設計の基本として重要な概念である。


2014年5月19日月曜日

まぶしいほうに、歩いて行く


http://tabelog.com/rvwr/000059291/rvwdtl/6310205/

まぶしいほうに、歩いて行く

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言葉を探している。


評論家が芸術を評価し、価値を高めると奢った人の言葉を。

しかし、謙虚に、芸術の喜びを語る人の言葉しか見つからなかった。

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美術評論家

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http://siritai.jp/lecture/artcritic/artcri_master.html

美術評論には読んでもよくわからないものがたくさんあります。絵や彫刻など感覚的なものを文字に置き換えるのですから、しようがない部分もあります。
しかし、それ以上に、自分の印象を書き連ねる「印象批評」に終始していることが、話をわかりにくくしています。
ここでは、昔から重要だと言われる評論や、最近話題となっている批評を題材に、司法試験の勉強で使われている「論証パターン」という論理ツールを使って、分析をしていきます。論旨が明快であれば、きれいに論理的な整理ができるはずです。カリスマ的な評価をうけていた評論でも、まったく論理性に欠ける見かけ倒しのこともあります。
有名な思想家が言ったことを、自分の頭を動かさずに真に受けていないか、鉛筆を片手にチェックしていきましょう。
この講義の演習回で行った課題について、優秀な提出のいくつかをこちらで紹介しています。


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http://larte-sawafuji.com/

L’ARTE SAWAFUJI
ラルテとはイタリア語で芸術を意味します。

オーナーシェフ、沢藤 隆の感性とエスプリをイタリア料理で表現いたします。
皆様のご来店を心よりお待ち申し上げております。

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http://mainichi.jp/feature/news/20131004ddn013040071000c.html

 大学では仏文学を専攻。19世紀フランスの詩人、ステファヌ・マラルメを敬愛してやまない。個人的な出会いで、「最も衝撃的だった」のは荒地派の詩人、田村隆一。若き編集者時代、原稿を取りにいったのが縁で、長い付き合いがあった。「酒、酒、酒……とにかく日常生活はめちゃくちゃな人。話せないエピソードが山のようにある」。でも、「詩に関しては天才。軽妙なライトバースから思想詩まで何でも書ける。特に代表作の『立棺』はすばらしい」。「わたしの屍体(したい)を地に寝かすな……」。田村の詩の一節をすらすらとそらんじた。


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http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:http://web1.kcn.jp/tkia/trp/022.html

立棺

1

わたしの屍体に手を触れるな
おまえたちの手は
「死」に触れることができない
わたしの屍体は
群衆のなかにまじえて
雨にうたせよ
われわれには手がない
われわれには死に触れるべき手がない
わたしは都会の窓を知っている
わたしはあの誰もいない窓を知っている
どの都市へ行ってみても
おまえたちは部屋にいたためしがない
結婚も仕事も
情熱も眠りも そして死でさえも
おまえたちの部屋から追い出されて
おまえたちのように失業者になるのだ
われわれには職がない
われわれには死に触れるべき職がない
わたしは都会の雨を知っている
わたしはあの蝙蝠傘の群れを知っている
どの都市へ行ってみても
おまえたちは屋根の下にいたためしがない
価値も信仰も
革命も希望も また生でさえも
おまえたちの屋根の下から追い出されて
おまえたちのように失業者になるのだ
われわれには職がない
われわれには生に触れるべき職がない
2

わたしの屍体を地に寝かすな
おまえたちの死は
地に休むことができない
わたしの屍体は
立棺のなかにおさめて
直立させよ
地上にはわれわれの墓がない
地上にはわれわれの屍体をいれる墓がない
わたしは地上の死を知っている
わたしは地上の死の意味を知っている
どこの国へ行ってみても
おまえたちの死が墓にいれられたためしがない
河を流れて行く小娘の屍骸
射殺された小鳥の血 そして虐殺された多くの声が
おまえたちの地上から追い出されて
おまえたちのように亡命者になるのだ
地上にはわれわれの国がない
地上にはわれわれの死に価いする国がない
わたしは地上の価値を知っている
わたしは地上の失われた価値を知っている
どこの国へ行ってみても
おまえたちの生が大いなるものに満たされたためしがない
未来の時まで刈りとられた麦
罠にかけられた獣たち またちいさな姉妹が
おまえたちの生から追い出されて
おまえたちのように亡命者になるのだ
地上にはわれわれの国がない
地上にはわれわれの生に価いする国がない
3

わたしの屍体を火で焼くな
おまえたちの死は
火で焼くことができない
わたしの屍体は
文明のなかに吊るして
腐らせよ
われわれには火がない
われわれには屍体を焼くべき火がない

わたしはおまえたちの文明を知っている
わたしは愛も死もないおまえたちの文明を知っている
どの家へ行ってみても
おまえたちは家族とともにいたためしがない
父の一滴の涙も
母の子を産む痛ましい歓びも そして心の問題さえも
おまえたちの家から追い出されて
おまえたちのように病める者になるのだ
われわれには愛がない
われわれには病める者の愛だけしかない
わたしはおまえたちの病室を知っている
わたしはベッドからベッドヘつづくおまえたちの夢を知っている
どの病室へ行ってみても
おまえたちはほんとうに眠っていたためしがない
ベッドから垂れさがる手
大いなるものに見ひらかれた眼 また渇いた心が
おまえたちの病室から追い出されて
おまえたちのように病める者になるのだ
われわれには毒がない
われわれにはわれわれを癒すべき毒がない

「桜桃の味」



イラン映画上映会の件でメールが来ていた。


2.「桜桃の味」(アッバス・キアロスタミ監督、1997年)(1時間35分)
  14:30-16:05

1997年のカンヌ映画祭でグランプリに輝いたイラン映画。人生に絶望した男が、自分の自殺を助けてくれる人を探しもとめつつ、人生の本当の意味を知るまでの姿を描くヒューマン・ドラマ。バディは、自殺の協力者を求め、一台の車に乗ってさまよい続けていた。道中彼は、あるトルコ人の老人ゲバリに出会う。老人と話すうちに、絶望していたバディの心のなかに光がさし、彼はしだいに希望を見出してゆく。



 「桜桃」とは何か?

検索すると、青空文庫で太宰治の「桜桃」が真っ先に出て来た。

読み方は他の記事から「さくらんぼ」であることがわかった。

桜桃

太宰治




われ、山にむかいて、目をぐ。
――詩篇、第百二十一。

 子供より親が大事、と思いたい。子供のために、などと古風な道学者みたいな事を殊勝らしく考えてみても、何、子供よりも、その親のほうが弱いのだ。少くとも、私の家庭においては、そうである。まさか、自分が老人になってから、子供に助けられ、世話になろうなどという図々しいむしのよい下心は、まったく持ち合わせてはいないけれども、この親は、その家庭において、常に子供たちのご機嫌きげんばかり伺っている。子供、といっても、私のところの子供たちは、皆まだひどく幼い。長女は七歳、長男は四歳、次女は一歳である。それでも、既にそれぞれ、両親を圧倒し掛けている。父と母は、さながら子供たちの下男下女の趣きを呈しているのである。

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「われ、山にむかいて、目を挙(あ)ぐ。」→検索

こんな記事を見つけた。

考えるヒントのお蔵  生と性と聖の棚  第4番 涙の谷の文学者


目を上げて、わたしは山々を仰ぐ。
わたしの助けはどこから来るのか。
わたしの助けは来る  天地を作られた主のもとから。
どうか、主があなたを助けて 足がよろめかないようにし まどろむことなく見守ってくださるように。


そして、『桜桃』の中で、主人公に一番汗をかくのはどこか?内股か?と問われた妻が答える台詞が

「この、お乳とお乳のあいだに、……涙の谷、……」です。

この「涙の谷」もまた、旧約聖書の詩篇第84に出てきます。ただ、「涙の谷」と表現されているのは文語訳聖書で、口語訳聖書では「嘆きの谷」(あるいはバカの谷)と表現されています。今売られている聖書で、いくら「涙の谷」を探しても出てきません。

詩篇第84の6・7節は、次のような主と共にいる喜びの賛歌です。

いかに幸いなことでしょう  あなたによって勇気を出し 心に広い道を見ている人は。
嘆きの谷を通るときも、そこを泉とするでしょう。
雨も降り、祝福で覆ってくれるでしょう。

『小型版 新共同訳  聖書辞典』(キリスト新聞社 2400円)によれば、この嘆きの谷とは「バルサムの木の谷」のことであり、バルサムの生える荒れ果てたエルサレムの谷を指すものだそうです。「バルサム Balsam」はヘブル語では「バカ Baca」と呼ばれ、幹から薬用になる乳のような樹脂を出す潅木です。

涙-嘆き-乳。死を前にした太宰(ダザイを変換すると堕罪になるのも何だか……)が、作中の妻に「お乳のあいだに涙の谷」と言わせたのは、どんな思いからでしょう?


自ら命を絶った太宰と芥川は、パビナールだけでなく、旧約聖書の「涙の谷」でも結ばれていました。有島武郎や北村透谷も含め、キリスト教や聖書に深い理解を持ちながら自殺した文学者達。聖書の言葉は救いをもたらす以上に、人生の苦悩を掘り下げるものだったのでしょうか?

メモ

2014年5月19日

メモ